祭りの場

 「祭りの場には不思議な空気が漂う。数学と同じさ。すべてが一体になっているようでいて、その実みんな自分のことしか考えちゃいない。」そんな風刺と「数列」のみが由美子の記憶だった。

 14年の眠りから目覚めた彼女が招かれた先は公安部。時効が間近に迫った下北沢連続失踪事件の重要参考人として中央省庁にて頭部に特殊な玩具を装着され、事情聴取を受ける羽目に。

 010101110101010010100010100110010101000101010101001000001010111110010......

浮かんでは消える数列に追いすがり、「なつかしいにおい」を感じた矢先、一人目の犠牲者が現れるーーーー